BACKBONE
スポーツをやっていた頃なぜうまくいかなかったのか?その答えがぼんやりと見えてきたのは、競技スポーツを離れ総合商社で働きだしてからでした。
14年間の総合商社(住友商事)での仕事ではいくつもの修羅場を経験しました。日々動いているビジネスの世界で一つ一つの出来事を自分がどう判断し、チームがどう動いていくのがベストなのかを考える機会が数多くありました。
そんな中で、選手時代の『かつての自分』をビジネスの世界にいる『今の自分』が客観的に見ることが出来たのです。今の自分なら、もう少し違った選手だったかもと思えるようになりました。
そしてスポーツにもビジネスにも共通する『考え方』を理論的に学びたいと考えた私は、会社を辞め、スポーツ心理学の最高峰ノースカロライナ大学グリーンズボロ校に留学することにしたのです。
そこでは世界トップレベルの研究に接し学びの日々でした。『考え方」は『ライフスキル』と呼ばれ、スポーツの世界でもビジネスの世界でも関心が非常に高いことを知りました。
ライフスキルを高めることはスポーツのパフォーマンスを高めるだけでなく、ビジネスなどの違うフィールドでも、さらには人生全てをも充実したものにしようと考えられていました。日本に欲しいのものはこれだ。私は確信しました。
大学院のラボはNFLやオリンピックチームなどのスポーツのトップチーム・選手は勿論ですが、ビジネス界からのコンサルティングや人材育成プログラム開発依頼もあり、スポーツ心理学の『考え方』が多くの分野で活用されていました。
私は指導教授に「君はアスリートとしての豊富な経験があるのだから、アカデミックな理論を監督や選手が実際に使えるツールにしていかなくてはならない。さらにスポーツだけではなく貴重なビジネスでのリーダーとしての経験もあるのだからビジネスの現場でも使える内容にもしていけるはずだ。それが、長年働いて40歳前に大学にやってきたPh.D.としての君の仕事だ」とのミッションをいただきました。
現在日本において様々なフィールドの方々のチーム・組織、個人の最高のパフォーマンスを引き出すためのコンサルティングやワークショップを行なっています。
プロのアスリートやチーム、ジュニアのアマチュアスポーツチーム、組織活性化や成長を志向する大手から中小までの企業、そして経営者やビジネスリーダーまで幅広いフィールド、年齢層の方々とゴールに至るまでの道を共に歩んでいます。
ゴールに向かう中で具体的には
・プレッシャーの中でのパフォーマンスの高め方
・直面した問題に対する解決力
・時間が限られた中でのベストの尽くし方
・パフォーマンスを安定させるゴール設定
・組織と個人のジレンマの中での動き方
・成功と失敗のハンドリングの仕方
が変わっていきます。その結果、その瞬間ごとにどう考えどう動けばいいのかについて適切な選択肢が作れ、最適なアクションを起こせるようになるのです。
こうした変化によって結果としてスポーツであれば勝利を、ビジネスであれば成功を導く土壌が生まれます。
スポーツの世界は次々と起こる予期せぬ事に立ち向かっていく機会があります。勝利を目指して練習を重ね、そのためチームの力を最大限に高めようとします。
周到に準備しても残念ながら負けてしまうこともあり、準備したプロセスをやりきることで学びを重ね、次へのヒントを得られます。また試合中には、移り変わるゲームの中で瞬時に的確な判断が求められるのです。
このようなスポーツの世界だからこそ科学的に研究された理論、そこから導き出される『考え方』やその使い方、さらにはトレーニング方法までもが磨かれてきたのです。
私は、一人でも方々にこの『考え方』を身につけ、組織・チーム、そしてひとりひとりの最高のパフォーマンスを引き出し取り組みをしていきたいと思っています。