ラグビーやサッカー、マラソン・駅伝、冬のスポーツはいよいよこれから重要な試合が近づいてきますね。対してシーズンオフに入り、シーズンの振り返りや新たなスタートに向けて準備するスポーツもたくさんあると思います。みなさんにとって良いタイミングで、よりパフォーマンスを高めるために、スポーツ心理学に基づく「考え方の技術」と向き合ってみてはいかがでしょうか。
さて、前回の「トップアスリートの考える技術 vol.2」では「縦型×逆算」と「横型×足し算」の思考の違いについてお伝えしました。今回は「縦型×逆算」を上手にするための横型比較の活用方法について解説します。
頂点に立つようなトップアスリートが考えている縦型比較思考で逆算ができるようになるための第一歩は、自分の最高の将来像を可能な限り明確にイメージすることが重要です。
しかし、それは簡単なことではありません。
スポーツにおいて世界で活躍するトップアスリートになりたいという将来像も、どんなタイプでどんなスタイルの選手を目指すかは本来一人一人違うはずです。プロになりたいというだけでは、将来像の描き方として不十分なのです。
では、どうしたら自分の将来像を明確にすることができるのでしょうか。
ここで生きてくるが横型比較思考になります。横型比較でうまくいかないのは、その分野で活躍している人と現在の自分を比べることに起因しています。そうではなくて、なりたい自分像に気づいたり、取り入れたいことを組み込んでいくのです。
そうすることで、自分の先を行く人と会って話したり、行動を共にしてみたりすることが非常に有効になります。自分より先に様々なことを経験し、学びを重ねている人の話をたくさん聞くことで、今の自分の視界にはない将来像が見えてきたりします。それも一人二人ではなく、数多くの人に会えば会うほど自分の将来に対するヒントを得ることができるでしょう。
目指す世界においてすでに成功を収めている人の本を読んだりすることも非常に有効です。理想の人が、どのような考えを大切にしているかなどを学ぶことで、理想の将来像をつくりやすくなります。
自分の目指す将来像がしっかり見えてくると、それによって情報の感度が高まり、身の回りに起こるチャンスを逃さなくなってきます。逆算の視点でアイデアを得られることもあるでしょう。
もし皆さんが自分自身のスタイルをまだ確立できていないと感じるなら、 まずはどんなスタイルで生きていくのかをぜひ考えてみてください。自分にとってどのようなスタイルが最高のパフォーマンスを生み出すのかを探し続け、それを確立していくことによって成果が導かれてきます。
自分らしいスタイルが明確になっていくと、縦型比較思考で逆算がうまくなり、今本当にやらなくてはならないこと・やりたいことが見えて「振り回されない自分」が作られいくのです。
では次回は、成功への必要条件となる「自分らしいスタイルの作り方」について役割性格と共に詳しくお話ししていきます。
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このコラムは、布施努 著「自分の最高を引き出す考え方」から一部抜粋し作成しています。このコラムで記載された内容を、より詳しく事例や解説などをまじえてお知りになりたい場合は、ぜひこちらの書籍をご覧いただければと思います。
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