トップアスリートの考え方の技術 vol.12 〜試合中、諦めずに粘り強い選手は何を考えているのか?~



前回までのコラムで長期的な大きな目標を達成するためにCSバランスを意識しながらその時々の適切な目標を設定することの重要性を話してきましたが、 実はCS バランスを理解することのメリットはそれだけにとどまりません。

スポーツにおいてもビジネスにおいても瞬時に判断が求められるような状況が度々起こりますが、 CS バランスを意識してその時できる最高のことにチャレンジする習慣が身につくと、困難などんな状況下においても動揺することなく安定的に成果を残すことができるようになってくるのです。

スポーツは、状況が変わり続ける中で瞬時にその時できる最善の方法を判断しなければなりません。試合に臨む選手たちは相手を分析し、それに備えて十分な練習を積んできています。当然、相手に合わせて戦略を練り、それを実行すべく集中力を高めて試合に向かいます。しかし、どんなに綿密に分析を重ね、戦略を練っていても、いざ対戦すると想定していた以上に相手の力が強い、まったく考えていなかった戦略を相手が展開してくるなど、イメージ通りにゲームを進められなくなるシーンは常に起こります。

しかし、パフォーマンスの優れた選手はそんな状況になった時でも、瞬時に「今、自分ができる最高のことは何か」を考え、CSバランスの「集中ゾーン」に入る行動を取ることができます。

勝ち負けは結果ですので、どちらに転ぶかわかりません。でも、常にどんな状況下においてもその時できる最高のことに挑み続けること。これを繰り返し、習慣にしている選手が結果的に勝利を重ねているのです。

 このようにどんな状況下でも、その時できる最高のことに挑み続けられるのは、まさにCSバランスを身に着けているからこそ可能なのです。諦めない粘り強い選手とそうでない選手の違いがここにあります。

諦めない選手はピンチに陥った際、「どうしよう…。やばい…。」と焦り集中できないままゲームを終わらせてしまうのではなく、「今、自分がコントロール出来ることは何か」と目標をブレイクダウンし直し、そこに集中することができます。

 ではどうしたらどんな状況でもCSバランスの集中ゾーンで自分ができることに挑戦し続けるようになれるのでしょうか。その鍵は練習や準備の質を高めることにあります。

ただ言われたことをやるのではなく、常に自分自身でなりたい自分像から逆算して、そのことをやる意味や価値を考えてみて、できることは何で、できないことは何かを明確にし自分に必要なスキル・経験は何かを考えるのです。

その上で実際にやってみると上手くいくことも上手くいかないこともあります。それをそのままにするのではなく、必ず振り返りを行うのです。上手くいった時には、なぜ上手くいったのか。上手くいかなかった時には、どうすればよかったのか。そしてそれを言語化し記録していきます。

ノートに記録することで言語化がされ、それによって再現性が高まり、同じような状況に直面した時、どうすればいいのかを瞬時に判断できるようになります。またノートに書きながら次はどうすればいいのかを常に考えるので、自然に自分で目標設定する習慣が身に着きます。

トップアスリートはもちろん、起業家や経営者などでも、日誌やノートをつけ続け成長を加速させた人は本当に大勢います。日々の内省の質が、CSバランスの中での目標設定スキルを高め、それにより継続的に成長の階段を上ることが可能になり、その結果として成功を収めているのです。


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このコラムは、布施努 著「自分の最高を引き出す考え方」から一部抜粋し作成しています。このコラムで記載された内容を、より詳しく事例や解説などをまじえてお知りになりたい場合は、ぜひこちらの書籍をご覧いただければと思います。
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