産経新聞 スポーツ茶論(サロン)

産経新聞朝刊 スポーツ茶論(2014.4.8)サロンに布施の『スポーツの力をビジネスに活かす』取り組みが紹介されました。以下記事の一部です。

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 2020年東京五輪・パラリンピックの準備が始まった。最大の課題は「大会の成功」だが、本当の目標は「スポーツの力」をどこまで高め、日本社会の新たな発展につなげていくかにあるような気がしている。 

 それを考えさせられる二つの動きを検分する機会があった。一つはスポーツの力をビジネス分野で人材育成に生かそうという取り組みだ。一流のアスリートを講師に招き、「組織を勝利に導く能力」を伝授しようというアカデミーである。

 アスリートのマネジメントなどを行う「ナイスガイ・パートナーズ」の始めた事業だが、体を鍛え、感動や希望を与えるだけではないスポーツの新しい役割を提案している。これまでに元陸上選手の為末大選手やラグビーのヤマハ発動機ジュビロの監督、清宮克幸氏が指導にあたった。

 「本物のリーダーは困難に効果的に対処する能力であるライフスキルを備えている。それを向上させるにはスポーツの力を応用するのが最も効果的だ」。アカデミーの代表講師で応用スポーツ心理学者の布施努氏の指南に真髄がある。

 ライフスキルの訓練は米国では宇宙飛行士やアーティストも活用しているが、アカデミーでは体育会出身の若手が中心。米ウォール街で体育会の人材を確保する動きが強まる一方で、幹部候補生に育成するのは容易ではない現状がある。 

 アカデミーでは、為末氏は自ら積極的に言語化を行う作業法、清宮氏は「スポーツから学ぶインテリジェンス」とお他に類のない”秘策”を伝授した。布施氏は米大リーグのイチロー選手を例にセルフコントロールなどの訓練をしてきた。

 布施氏も元野球選手で、早稲田実業高校で夏の甲子園で準優勝、慶応大学ではリーグ優勝や大学日本一を経験している。その後、米ノースカロライナ大学で応用スポーツ心理学の博士号を取得し、NFL(米ナショナル・フットボールリーグ)のメンタルトレーニングの開発に携わった。

 こうしたスポーツの力に期待したい。だが、アスリートが能力を伝えられるのも苦境にあって勝利を手にした体験があってのこと。他方で、勝利をつかむための取り組みも必要だろう。
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