コラム

2016年08月15日

アメリカにおけるスポーツ心理学とオリンピック 1

アメリカでスポーツ心理学がいかにオリンピックに関係しているかをご存知でしょうか。今回はその一端をご紹介します。  USOC(アメリカ五輪委員会)ではアトランタ、長野五輪において、心理的要因がいかにアスリートのパフォーマンスに影響を及ぼしたかをグールド博士などのリサーチもとにして、報告書を作成しました。 その研究をベースに『Achieving the Dream: Performing Your B

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2016年08月14日

勝てると思った瞬間の罠:錦織選手の接戦の裏側

リオ五輪テニス準々決勝の錦織選手とフランスのモンフィス選手の戦いはタイブレイクにもつれ込む接戦となりました。 まさにメンタルゲームとなった終盤の展開を振り返ってみましょう。タイブレイクはモンフィスのサービスで開始されました。モンフィスはここから一気に4ポイント連取しました。 最初のメンタルの注目ポイントは次のモンフィス選手のサービスゲームです。 フォアにいいサービスが入り錦織選手を揺さぶります。錦

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2016年08月13日

リオ五輪、体操・水泳の好成績を生んだ 個人競技における“チーム力”

リオ五輪の前半戦でよい結果を出し存在感を示しているのが体操、水泳です。この両者には共通した点があります。『チーム力』を大切にしているのです。どちらも個人競技ですが、どうして『チーム力』を意識しているのでしょうか? アメリカでは2002年に44人のアトランタ五輪コーチ、19人の長野五輪コーチを対象として「何がオリンピックアスリートのパフォーマンスに影響したのか?」をリサーチしています。この中で選手が

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2016年07月02日

スポーツ心理学からみるラグビー日本代表/五郎丸歩選手のルーティーン

ルーティーンとは?  ラグビー日本代表の活躍で五郎丸選手の蹴る前の一連の動作が話題となり、「ルーティン」という言葉がよく使われていますね。このルーティーンの導入によって五郎丸選手はキックの成功率をあげたといわれていますが、スポーツ心理学的に見ると、ルーティンはつまるところ『意識をコントロール』するための技術です。試合中の選手は『これを入れなくては・・・(負けてしまう)』とか『ミスったら・・・(自分

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2016年06月16日

“奇跡の優勝”に見る組織作り――スタイル確立でチームを変える

サッカーのイングランド・プレミアリーグで、日本代表の岡崎慎司選手が所属するレスター・シティが頂点に輝きましたね。これは“奇跡の優勝”なんて呼ばれていて、資金力も選手自身の実力もプレミアのトップで戦うチームには到底及ばないレスターが優勝したということは、それくらい驚くべきことでした。 なぜそんなレスターが優勝できたのか。その理由を考えていきたいと思います。  このチームを率いたのはクラウディオ・ラニ

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2014年04月21日

浅田真央選手のソチ五輪(後編 )

浅田真央選手。 自分のスケートへの思いを表現できての最後の笑顔。本当に美しい表情で、もらい泣きした人も多かったのだろうと思います。  SPで大きく後れを取り、『悔しさもあったんですけど、それよりは終わった後は言葉にならなくて、今まで何やってきたんだろうなと思いました』と浅田選手。当日になっても『朝の練習は全く体が動かなくて大丈夫かなと。そういう思いになっていたのが、すごく自分でも心配でした』という

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2014年04月20日

浅田真央選手のソチ五輪(前編)

浅田真央選手がソチ五輪、ショートプログラムで16位と出遅れてしまいました。彼女が背負っているものが大きすぎて、可哀想にも思えてならないのですが、自分自身の納得出来る演技を見せてくれたらと切に願うばかりです。 Embed from Getty Images  「アルメニアに入ってからは、毎日完璧に滑りたいという気持ちが強かった。でもそれが出来ずにすごく焦っていました」  アスリートは大舞台で、特にプ

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2014年04月16日

羽生結弦選手の金メダル

男子フィギュアスケート、羽生選手の金メダル 本当に日本に元気を与えてくれましたね。 そんな羽生結弦選手のメンタルの強さに、高橋大輔選手も脱帽しているという記事もありました。 Embed from Getty Images 応用スポーツ心理の観点から、羽生選手とNYヤンキースに移籍した田中将大投手には共通点があるように思っています。 それは二人とも「ダブルゴール」を上手に使える点です。 『演技が終わ

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2014年04月14日

高梨沙羅選手のソチ五輪

高梨選手がソチ五輪でメダルを逃してしまいました。  「支えてくださった方々に感謝を伝えるためにここに来たので、そこでいい結果を出せなかったことは残念です。自分の思い通りに飛べなかったということは、自分のメンタルの弱さだと思う。」  彼女は、必ず次のオリンピックにはもっと強くなれる資質を持った選手であることは間違いありません。  この敗戦で、イチロー選手の言葉を思い出しました。「誰かの『ために』やろ

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2014年04月13日

本番で力を発揮する~フロー状態~

スピードスケートの日本の両エース、非常に残念ながらメダルには届きませんでした。  試合後、長島選手は「34秒5台を出さなきゃいけないと思っていました。リンクと僕の感覚は合っていたので、それが出せなかったというのが、力のなさなのかなと。本番に弱いですね」と語っていました。  4年に一度の五輪での想像を超えるプレッシャーの中、本番で自分の力を発揮するには身体的な能力、技術的なテクニックに加えて、競争す

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2014年04月07日

上村愛子選手 グットルーザー

グッドルーザー(Good loser)という言葉があります。  どんな勝負でも自分に出来うる限りの準備して、その持てる力をすべて試合に出しきる。それでも勝負は負けることもあります。しかしその勝者を心の底から讃え、自らのプロセスを誇りに思い、敗北を次の糧とする。  まさに今回の上村愛子選手のこの言葉がそれを表しています。  『全部終わったときに、点も見ずに泣いてました。メダルは取れたかなと思ったんで

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2014年04月06日

上村愛子選手のソチ五輪

モーグルの上村愛子選手、本当に残念ながらメダルには届きませんでした。  「泣いたり笑ったりで今日は忙しかったですけど、バンクーバー終わった後、またソチを目指して頑張りたいなと思ったときに、またギリギリで(メダルが)取れないとか取れるとか、そういう場所にちゃんと戻ってこれるという自信も持てていなかったので、メダルを狙うんだ、最高の滑りをしたら、もしかしたら取れるかもというところまでこれたのが、すごく

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